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【仕事とプライベートの境界線を守る】つながらない権利について

昨今のテレワークや副業の普及により、多くの方が柔軟な働き方を実現しています。しかし、この新しい働き方には、勤務時間とプライベートの境界があいまいになりやすいという課題も浮き彫りになっています。

「つながらない権利」をご存知でしょうか?

「つながらない権利」とは、勤務時間外や休日に、仕事上のメールや電話への対応を拒否することができる権利のことです。

2016年にフランスで労働法が改正された際に盛り込まれ、世界的に話題となりました。

今回は、勤務時間外の業務連絡や「つながらない権利」に関する最近の意識調査(日本労働組合総連合会による「“つながらない権利”に関する調査2023)から得られた興味深いデータをご紹介します。

まず、驚くべきことに、調査によると72.4%の方が勤務時間外に業務連絡を受けていると答えています。これは、「ほぼ毎日」や「週に23日」といった頻度で、特に建設業、医療・福祉、宿泊業・飲食サービス業で多く見られる傾向があります。

さらに、勤務時間外の連絡を受けると、62.2%の人がストレスを感じているとのこと。ストレスの原因は、連絡を無視できない心理状態にあることからくるようです。

このような状況を踏まえ、66.7%の方が「勤務時間外の連絡を制限する必要がある」と感じています。また、勤務時間外の連絡を拒否できる「つながらない権利」については、多くの人がその必要性を感じているものの、実際には拒否することが難しい現状があります。なぜなら、業種による特殊性や緊急時の対応など、考慮すべき点が多々あるからです。また、連絡を拒否したことによる勤務評価やキャリアへの影響を懸念する労働者の声も少なくありません。

日本ではまだ「つながらない権利」の法制化はされていませんが、このような権利があれば、勤務とプライベートの境界をより明確に保つことが可能になり、ストレスの軽減につながると考えられます。

私たちの働き方や生活環境は、時代と共に変わり続けています。テレワークや副業が普及する今日この頃、仕事とプライベートの境界をどのように保つかは、これからの社会において重要な課題の一つです。今後もこの問題に対する法整備の動向に注目していきましょう。