今回は現代、業種を問わず多くの企業や働く方々が直面する重要な課題である「労働時間とメンタルヘルスの関係」について解説いたします。
長時間労働の現状
総務省の「労働力調査」から興味深いデータをご紹介します。
1週間の就業時間が60時間以上の従業員の割合は、2003年をピークに緩やかに減少していましたが、2022年には再び5.1%と前年よりも増加しています。
具体的には、60時間以上働く従業員数は298万人に達し、前年より約8万人も増加しました。
長時間労働がもたらすもの
長時間労働がもたらすものについて、従業員と企業にわけてお伝えします。
従業員のメンタルヘルスに与える影響
長時間労働がどのようにメンタルヘルスに影響を及ぼすのでしょうか?
1週間当たりの実労働時間とメンタルヘルスの関係についても興味深いデータがあります。
実は、労働時間が長くなるにつれて、うつ病や不安障害(重度のものを含む)のリスクが高まる傾向が見られます。
さらに、長時間労働を続けることで睡眠不足になり、精神と密接につながっている脳が疲弊した結果、メンタルヘルスへの悪影響がさらに深刻になることが指摘されています。
こうした状況が続くと、仕事に対する意欲や集中力の低下、さらには心身の健康を害するリスクが高まることが懸念されます。
企業に与える影響
また、長時間労働は個人の健康だけでなく、組織全体にも影響を及ぼします。
従業員の疲労が蓄積することで、生産性が低下し、業務の効率が悪化するだけでなく、職場全体の雰囲気にも悪影響を与える可能性があります。
特に、メンタルヘルスに問題を抱える従業員が増えると、職場での協力やコミュニケーションも難しくなりがちです。
企業ができること
上記で述べた状況を改善するためには、長時間労働を避けるための対策や働き方改革が求められています。
例えば、仕事の効率を上げるためのITツールの導入や、業務プロセスの見直し、リモートワークの推進などが考えられます。
まとめ
長時間労働を避けるための対策や働き方改革の重要性が再認識される時期に来ています。
皆様もぜひ、自社の働き方を見直し、健康的な労働環境を目指していきましょう。