今回は、「残業時間を減らすための効果的な取り組み」について、事例を挙げてご紹介します。
ある会社では、残業時間の削減を目指し、固定残業手当を導入しました。具体的には、残業の有無にかかわらず、30時間分の残業手当を全従業員に支給するというものです。
もし残業時間をゼロまで減らしても、30時間分の残業代が支払われる仕組みのため、「効率的に働けば働くほど得になる」と従業員のモチベーションアップが見込めます。この取り組みの結果、同社では平均残業時間が2年前の月40時間から25時間へと大幅に減少しました。この成功の裏には、固定残業手当の導入以外に2つの重要な取り組みがあります。
1つ目は、外回り営業の働き方を見直し、顧客先への直行直帰を増やすことで、無駄な時間を削減したことです。
2つ目は、残業の事前申請制を導入し、残業の理由と必要時間を上司が事前に承認する体制を整えたことです。これにより、従業員が計画的に効率よく時間管理をするようになり、残業が減少しました。
残業が減少したというと気になるのが会社の売上ですが、同社の売上は好調に推移しているそうです。従業員のモチベーションアップと、業務の効率化が影響していると思われます。
固定残業手当は否定的なイメージを持たれがちですが、今回の事例のように、適切に運用すれば、従業員にとっても企業にとってもメリットがあります。
残業時間の削減は、従業員の健康とワークライフバランスの改善に直結します。今回ご紹介した取り組みが、皆さまの抱える問題の改善策となれば幸いです。