今回は、多くの企業が直面する可能性のある「未払い残業代」についてご説明いたします。
従業員が労働基準監督署に未払い残業代の相談を行った場合、労働基準監督署が企業に検査に入ることがあります。
このような状況では、企業は従業員の始業・終業時刻の記録を示す出勤簿(タイムカード)の提出を求められます。なぜなら、労働基準法では、企業は従業員の労働時間を把握し記録することが義務付けられているためです。
未払い残業代がある疑いで労働基準監督署が企業に検査に入ったとき、出勤簿(タイムカード)がないと企業にとって不利になるので、必ず備え付けておくようにしてください。
なお、出勤簿は5年間の保存義務がありますので、この点にもご注意ください。
また、労働基準監督署の検査では、出勤簿(タイムカード)だけでなく、労働者名簿、賃金台帳、36協定、労働条件通知書、健康診断管理表、就業規則なども確認されます。これらの文書も最新の状態に保ち、整備しておく必要があります。
最後に、特に注意したいのが、未払い残業代の時効が3年であることです。未払いがある場合、時間が経過するほどに支払うべき金額が増加するため、早期に対応しておきましょう。
未払い残業代は、企業の信頼性に関わる大きな問題です。適切な準備によりリスクを最小限に抑え、クリーンな労働環境を維持しましょう。