俳優やスタッフらが加入する日本芸能従事者協会は、会員がより手軽に健康診断を受けられるよう、支援体制を強化しました。背景には、フリーランスが多い芸能業界において、過労死とみられる突然死の発生や、健康診断の未受診が約3割という調査結果があります。
提携医療機関との連携で「受診のしやすさ」アップ
労働基準法が適用されないフリーランスは健診が義務ではなく、かつ、撮影が長期間に及んだり、全国を回る仕事が多く予定が見通せなかったりすることが、受診低迷に繋がっていると考えられます。また多忙な中、自力で医療機関を探す必要があることも受診のハードルを上げていました。
そこで日本芸能従事者協会は、東京や大阪、愛知、兵庫、三重、滋賀を はじめとする全国9か所の医療機関と提携し、会員がいつでも都合のよい日に健康診断を 受けられる体制を整備しました。料金は自己負担ですが、時間や手間の制約から診断を控えていた方にも利用しやすくなっています。
健康診断の利用イメージ
もちろん個人でも利用できますが、集団検診もできることが特徴です。例としては、
- 団体で、年に一度の総会などに定期検診を実施
- 映画やテレビ、映像作品等のクランクインや舞台公演の稽古前にキャスト全員で受診
これらが普及すれば、芸能業界の未受診が減少することを期待できます。
まとめ
協会は今後も提携先を全国に拡大予定です。また、健康診断の重要性に関する啓発活動を通じて、芸能業界全体の健康意識向上に努めていく方針です。今後も協会の取り組みに注目が集まりそうです。