近年、顧客や取引先からの悪質な迷惑行為「カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)」が社会問題化しています。厚生労働省の調査によると、セクハラやパワハラなど他のハラスメントと比較して、カスハラに関する相談件数が最も多いことが明らかになりました。
厚労省の取組
令和4年、厚生労働省は「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を策定しました。令和6年度はスーパーマーケット業界に焦点を当て、今年3月に「スーパーマーケット編」を公表しました。
マニュアルの内容
- カスハラに取り組む意義
- カスハラの定義と判断基準
- スーパーマーケット業界での発生状況と対応状況
- 業界共通の対応方針
- 具体的対策(相談体制、手順、社内教育、再発防止への取り組みなど)
今後の対応
現在、労働施策総合推進法の改正により、企業にカスハラ対策を義務付ける動きが進んでいます。しかし、判例や実務ノウハウが未成熟であるため、各企業は積極的に情報収集し、現場に即した対応体制を整えることが求められています。今後も、従業員を守る職場づくりの第一歩として、カスハラ対策の整備が重要となるでしょう。