来年の4月から順次施行される育児・介護休業法の改正、皆さんはもうご存じでしょうか?
厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会では、7月30日に改正育児・介護休業法に関する省令・告示の改正案が了承されました。
改正育児・介護休業法では、3歳から就学前までの子を養育する従業員に対する「柔軟な働き方を実現するための措置」を企業に義務付けました。今後、省令・告示において、これらの措置などの詳細を定めることになっています。
来年の施行に向け、企業には新たな対応を求められることになります。
今回は、この改正で具体的に何が変わるのか、そして企業がどのような対応をしなければならないのかを、「柔軟な働き方を実現するための措置」の内容に絞ってお伝えします。
改正法のポイント
今回の改正で注目すべきポイントは、3歳から就学前までの子どもを養育する従業員に対して、企業が「柔軟な働き方を実現するための措置」を提供する義務が課せられる点です。
この措置は、働き方の選択肢を広げ、育児や介護との両立をサポートすることを目的としています。
具体的には、企業は以下の5つの措置の中から2つを選び、従業員がそのうち1つを選択できるようにする必要があります。
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始業時刻の変更など
「フレックス制」または「始業または終業時刻を繰り上げまたは繰り下げる制度」のいずれかを講じることとしています。
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在宅勤務(テレワーク)など
1日の所定労働時間を変更せずに利用できることや、始業または終業時刻を含む連続した時間について時間単位で利用できることなどを盛り込んでいます。
また、1週間の所定労働日数が5日の従業員の場合、在宅勤務日数は月10労働日とし、週所定5日以内の従業員に対しては労働日数に応じた実施日数とすることとされています。
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所定労働時間の短縮
原則として1日6時間勤務とする措置を含めるとしています。
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新たな休暇の付与
1日の所定労働時間を変更することなく、年間10日利用できることを要件としています。
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仕事と育児の両立を容易にするための措置として省令で定めるもの
企業に向けて、「保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与」が求められています。
まとめ
これらの措置を実施することは、従業員の働きやすさを高めると同時に、企業の成長にも寄与するはずです。来年の施行に向け、今からしっかりと準備を進めることが大切です。