東京都立川市で助成金申請代行に強い社労士法人  042-595-6103受付時間:月〜金曜日 9:00〜17:00(年末年始を除く)無料助成金診断は
こちらをクリック

【従業員と円滑な関係を築くために】労働契約法の基本について

会社を運営する上で、従業員との関係は非常に重要です。従業員一人ひとりと円滑な関係を築くためには、労働契約について正しく理解することが欠かせません。

今回は、労働基準法や労働契約法に基づく労働契約の成立と、その際に守るべき4つの原則についてお話しいたします。

はじめに

労働契約とは、会社は従業員に仕事を提供し、従業員は会社から給料を受け取るという関係を法律で定めたものです。

労働契約はどうやって成立するの?

まず、労働契約がどのようにして成立するのかを確認していきましょう。

契約が当事者の合意によって成立することは契約の一般原則であり、労働契約にも当てはまります。
労働契約法第6条は、この労働契約の成立に関する基本原則である「合意の原則」が盛り込まれています。

また、合意の要素は、次の2つからなります。

  1. 従業員が使用者に使用されて労働すること
  2. 使用者がその労働に対して賃金を支払うこと

労働契約は、上記のように従業員と使用者の合意のみによって成立します。(労働契約法第6条)

したがって、労働契約の成立には、契約内容を書面で交付することまでは求められていません。

ただし、労働契約を締結する際には労働条件を書面で明示することが必要です。(労働基準法による)

また第6条のもとでは、具体的な労働条件が細かく決まってしていなくても、契約自体は成立するケースがあります。
例えば、採用内定が出た時点で労働契約が成立すると判断された例もあります。

労働契約の4つの原則(労働契約法第3条)

労働契約の成立に伴って考慮すべき4つの原則について解説します。

これらは労使双方が守るべき基本的なルールとなります。

1. 労使対等の原則

「労働契約は、労働者および使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、または変更すべきものとする。」

労働条件の決定において、会社と従業員は、対等な立場で契約を結ぶべきという原則です。会社が一方的に条件を決めるのではなく、従業員の意見も尊重することが大切です。

従業員と使用者が対等の立場に立つべきことを規定した労働基準法第2条第1項と同様の趣旨です。

2. 均衡考慮の原則

「労働契約は、労働者および使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、または変更すべきものとする。」

会社と従業員の双方にとって、バランスの取れた契約を結ぶべきという原則です。
従業員の仕事量や責任に対して、適切な報酬が支払われるようにすることが求められます。

3. 仕事と生活の調和への配慮の原則

「労働契約は、労働者および使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、または変更すべきものとする。」

従業員が仕事だけでなく、プライベートな時間も充実できるように配慮すべきという原則です。
残業や休日出勤を減らし、ワークライフバランスを重視することが求められます。

4. 信義誠実に行動し、権利濫用を禁止とする原則

「労働者および使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に権利を行使し、義務を履行しなければならない。」

会社も従業員も、お互いを信頼し、誠実に契約を守るべきという原則です。例えば、会社は従業員に約束したことを守り、従業員は会社のために誠心誠意働くことが求められます。

「労働者および使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。」

会社も従業員も、自分の権利を主張する際に、相手を不当に困らせるようなことはしてはいけないという原則です。

まとめ

労働契約の基本を押さえ、これらの原則を守ることで、トラブルのない健全な職場環境づくりを行うことができます。

皆さまの職場でも、ぜひこれらのポイントを意識してみてください。