今回は、法定3帳簿のひとつ、「賃金台帳」の正しい形式についてご説明いたします。
賃金台帳は、助成金申請や労働基準監督署の臨検時に不可欠な書類の一つです。
しかし、正しい形式で作成されていないと、その重要性にもかかわらず使用できない場合があります。
賃金台帳の形式
賃金台帳は、1ページに1人の従業員の賃金の明細が12か月分記載されているものを指します。この形式は、従業員ごとの給与の変動を一目で把握できるため、役所から求められます。
※細長い給与明細や月別に全従業員の給与が記載された形式で提出されることが多いですが、これらは賃金台帳としては認められません。
賃金台帳に記載しなければならない事項
- 労働者の氏名
- 性別
- 賃金の計算期間
- 労働日数
- 労働時間数
- 残業時間数
- 基本給や各種手当の額
- 所得税や社会保険料などの控除額
特に注意したい点
基本給と残業代は明確に分けて記載することです。基本給と残業代を一括りにして記載すると、残業代が未払いと見なされる恐れがあります。例えば、「基本給25万円、残業代5万円」と分けて記載し、残業時間が何時間に相当するのかを明確にすることが求められます。
賃金台帳の重要性
賃金台帳の正確な作成は、労働基準法に基づく義務であり、事業運営の透明性を保つためにも非常に重要です。間違った形式で賃金台帳を作成してしまうと、不必要なトラブルの原因となります。インターネットの無料のひな型などを活用し、正しい賃金台帳の作成に取り組んでください。