今回は、雇用関係助成金の申請時にほぼ必須となる「支給要件確認申立書」について、何の書類か、どこでつまずくか、注意点を簡潔に解説します。
「支給要件確認申立書」とは?
助成金の支給申請にあわせて提出する、『会社の適格性チェック(自己申告)』の書類です。
申立書では、不正受給歴の有無、法令違反の有無、労働保険料の未納の有無など、支給要件に該当するかを「はい/いいえ」で回答し、事実に相違がないことを事業主として誓約します。
確認される主な項目(4~16のチェック)
申立書では、4~16項目について「はい/いいえ」で回答します。特に実務で重要なポイントは次のとおりです。
不正受給歴がないか(過去の期間制限)
- 平成31年3月31日以前の申請に関する不正受給→一定期間(原則3年)経過が必要
- 平成31年4月1日以降の申請に関する不正受給→一定期間(原則5年)経過が必要
※返還が終わっていない場合など、期間が経過しても申請できないケースがある点に注意。
労働保険料の未納がないか
- 申請年度の前年度より前の保険年度で、労働保険料の未納がないことが求められます。
法令違反で送検されていないか
- 申請日前日から過去1年に、労基法等の違反で送検されている場合は申請不可となる整理です。
反社会的勢力等の関係がないか
- 暴力団排除・破壊活動防止法に関する誓約が含まれます。
調査への協力・書類保管への同意
- 労働局が審査や調査を行う際の協力、必要書類の提出・保管、従業員へのヒアリングや関係機関照会があり得ることへの承諾が含まれます。
- これに協力できない場合は、不支給や支給取消となる可能性があります。
「いいえ」があるとどうなる?
4~16の項目に「いいえ」がある場合、助成金の支給を受けることができない旨が留意点で示されています。この書類は形式的なものではなく、支給可否を左右する『入口審査』です。
必須添付:役員等一覧
申立書には、役員等の氏名・役職・生年月日を記載した「役員等一覧」(または同内容の書類)の添付が必要です。
※法人役員だけでなく、支店・営業所の代表者等、経営に実質的に関与する者が含まれる点に注意が必要です。
事業主として『ここだけは押さえる』実務ポイント
- 過去の助成金の不正受給歴/返還状況の確認
- 労働保険料の未納がないか(納付状況の確認)
- 直近1年の労基法等違反による送検がないか
- 役員等一覧の添付漏れ防止
- 調査協力・書類保管(法定帳簿・勤怠・賃金台帳等)を前提に運用する
まとめ
「支給要件確認申立書」は、助成金申請のたびに求められる『適格性の宣誓書』です。一つでも要件に抵触すると支給を受けられない可能性があるため、申請前に社内での確認が重要です。
