令和7年度版のキャリアアップ助成金のパンフレットが公開されました。今回は中小企業向けの支給額に焦点を当て、4月以降の主な変更点をご紹介します。
正社員化コースの改正
非正規雇用労働者を正社員に転換する企業を支援する「正社員化コース」に、新たに「重点支援対象者」が追加されました。対象となるのは、雇用開始から3年以上経過した有期契約社員や派遣社員、母子家庭の母、人材開発支援助成金の訓練を受けた者などです。この対象者を正社員に転換した場合、従来の2期合計80万円(有期→正規へ転換)、40万円(無期→正規へ転換)が支給されます。それ以外の対象者は、1期分のみ支給(40万円/20万円)となります。なお、新卒採用者で雇い入れから1年未満の者は支給対象外です。
賃金規定等改定コースの見直し
賃金引上げによる助成については、従来2区分だった支給基準が4区分に細分化し、助成額が拡充されました。
- 3%以上4%未満:4万円
- 4%以上5%未満:5万円
- 5%以上6%未満:6.5万円
- 6%以上:7万円
さらに、有期契約労働者の基本給を3%以上引き上げた場合、20万円が加算されます。(1事業所あたり1回に限る。)
キャリアアップ計画書の提出方法
従来は各コースの実施前日までに認定申請が必要でしたが、令和7年度からは労働局への「届出のみ」で手続きが可能になりました。
今回の改正は、支給対象の明確化と申請手続きの簡素化が大きなポイントです。これを機に、非正規社員の待遇改善に取り組む体制整備を進めてみてはいかがでしょうか。