日本商工会議所および東京商工会議所による中小企業の賃金改定調査は、パート・アルバイトの時給ベースでの賃上げ率は平均4.21％（前年より0.78ポイント増）と大幅に上昇しました。物価高や人手不足を背景に、企業の賃金引き上げが加速していることがわかります。
小規模企業では賃上げの余力に限界も
一方、従業員20人以下の小規模企業では賃上げ率が3.30％にとどまり、前年より0.58ポイント減少となりました。このように、賃金格差の拡大が顕著です。
小規模事業者への重点支援が不可欠
中小企業全体としては努力が見られる一方、小規模企業では財源の乏しさから対応に限界があります。持続的な賃上げには、
- 助成制度の拡充
- 価格転嫁支援と公正取引の整備
- 税制上の優遇措置
といった政策的後押しが急務です。
まとめ
今回の調査結果からは、企業規模によって賃上げの進展に差がある実情が浮き彫りとなりました。特に小規模事業者は、物価高や人材確保の課題に直面しながらも十分な賃金改善が困難な状況です。今後は、国や自治体による具体的かつ継続的な支援施策が、企業の健全な成長と労働環境の安定につながる鍵となるでしょう。