会社で働く私たちにとって、「労災保険」と「健康保険」は、何かあった時のための大切な「保険」です。
でも、この2つの違い、実は意外とご存じない方も多いのではないでしょうか?
今回は労災保険と健康保険の違いについて、ご説明いたします。
はじめに
労災保険と健康保険は、日本における社会保険制度の一環として設けられていますが、それぞれ異なる役割と対象範囲を持っています。
労災保険と健康保険の違い
◇対象範囲
それぞれの保険が対象とする事案についてご説明します。
労災保険
労災保険は、従業員が業務中や通勤途中に災害に遭った場合に、その災害による傷病や死亡に対して給付を行う制度です。
労災保険によって、医療費や休業補償などの給付を受けることができます。
健康保険
一方、健康保険は従業員やその家族が日常生活で病気やケガをした場合に、医療費や薬代の一部を補償する制度です。
健康保険によって業務外の傷病であっても医療費の負担を軽減することができます。
◇加入条件
労災保険
常勤・パート・アルバイト・派遣等の名称や雇用形態にかかわらず、従業員を1人でも雇っている事業場で働いている場合は加入となります。
※5人未満の従業員を雇用する個人経営の農林水産の事業については加入義務はありません。雇用主が加入手続きを行います。
健康保険
雇用主に雇用されている従業員が一定の条件(※)を満たす場合に加入が義務付けられており、雇用主が加入手続きを行います。
※健康保険の加入対象になるのは、常時雇用されている従業員の他に、以下の5つすべてにあてはまった方です。
- 週の勤務時間が20時間以上
- 給与が月額88000円以上
- 2ヶ月を超えて働く予定がある
- 学生ではない
- 2022年10月〜従業員101人以上の企業に勤めている。ただし2024年10月〜は、従業員51人以上の企業に変更となります。
※従業員:厚生年金保険の被保険者数
◇負担割合
労災保険
保険料は雇用主が全額負担し、従業員には負担がありません。
健康保険
保険料は従業員と雇用主が共に負担し、双方が一定の割合で保険料を支払います。
まとめ
労災保険と健康保険は、従業員の安全と健康を守るための大切な制度です。
これらの違いを理解することで、必要な時に適切な保険を利用することができます。
労災保険と健康保険の違いを理解し、ぜひ有事の際の参考にしてください。