今回は「障がい者への合理的配慮」についてお話しいたします。
はじめに
合理的配慮とは、障害のある従業員が職場で平等に働けるよう、
個々の状況に応じて行う調整や支援のことです。
具体的には、業務内容の調整、勤務時間の柔軟化、物理的環境の改善、
コミュニケーション手段の提供などが挙げられます。
雇用における合理的配慮の重要性
雇用における障がい者の差別禁止と合理的配慮の提供義務として、
すべての企業に取り組みが課されています。
これらは、障がい者の方と会社側が話し合いを重ね、
双方にとって過度な負担とならない範囲で実施されます。
ハードよりもソフトが鍵
では実際に、どのような合理的配慮が課題となっているのでしょうか。
厚生労働省がまとめた、都道府県労働局やハローワークへ持ち込まれた
合理的配慮に関する相談の内訳を相談の多かった順にみると、次のようになっています。
1.上司・同僚の障害理解に関するもの 26.1%
2.相談体制の整備、コミュニケーションに関するもの 18.0%
3.業務内容・業務量に関するもの 13.9%
4.作業負担や移動負担に関するもの 11.8%
5.就業場所・職場環境に関するもの 11.0%
6.業務指示・作業手順に関するもの 9.8%
このように見ると、バリアフリー化されたトイレやスロープといった物理的な環境整備(ハード)よりも、社員同士のコミュニケーションや、障害に対する理解を深めること(ソフト)が、より大きな課題となっており、対話が重要なことが分かります。
win-winな職場を目指して
合理的配慮の提供義務が履行されていない場合は、事業主に対し、行政から助言、指導または勧告が行われることがあります。
合理的配慮は、障がい者の方の能力を最大限に発揮できる環境を整えることが目的です。
会社の力になってもらうためには、障害のある従業員との行き違いをなくし、win-winな職場を目指すことが重要です。
まとめ
障害のある従業員が平等に働ける環境を作るために、会社全体で合理的配慮の理解と実践を進めることが求められています。
コミュニケーションを密に行い、お互いを理解し、より良い職場環境を目指していきましょう。