今回は「年次有給休暇の計画的付与制度」についてご紹介いたします。
この制度は、労働基準法を遵守しながら、従業員の有給休暇取得を促進するための有効な手段です。
年次有給休暇の計画的付与制度とは
年次有給休暇の計画的付与制度は、年次有給休暇のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結ぶことで、あらかじめ休暇取得日を決定し、計画的に休暇を取得させることができる制度です。
これにより、従業員は計画的に休暇を取ることができ、企業は業務の運営を効率的に行うことが可能になります。
導入のメリット
この制度を導入すると、有給休暇の取得率が向上します。
厚生労働省の調査によると、計画的付与制度を導入している企業は、導入していない企業に比べて年次有給休暇の取得率が平均8.6%高くなっています。
これは、事前に休暇を取得する予定を立てることで、休暇の取得が確実に行われるためです。
従業員のためらい軽減
令和5年度の厚生労働省のアンケート調査では、約3分の2の従業員が有給休暇の取得にためらいを感じていると回答しています。
しかし、計画的付与制度を導入することで、前もって休暇が決められているため、従業員がためらうことなく休暇を取得できるようになります。
業務の効率化にもつながる「年次有給休暇の計画的付与制度」
休暇の取得日があらかじめ決まっているため、業務のスケジュールを立てやすくなります。
これにより、事業計画や人員配置の調整が容易になり、業務の効率化が図れます。
導入のポイント
計画的付与制度を導入するためには、労使協定を締結する必要があります。
労使協定では、対象となる年次有給休暇の日数や取得方法について具体的に取り決めます。
従業員と十分なコミュニケーションを図り、双方にとって納得のいく形で導入することが重要です。
まとめ
年次有給休暇の計画的付与制度は、従業員の休暇取得を促進し、企業の業務運営を効率化するための有効な手段です。
労働基準法の遵守はもちろんのこと、従業員満足度の向上にもつながります。
この機会に、是非とも計画的付与制度の導入を検討してみてください。