今年度4月から、従業員が70歳になるまでの就業機会確保が企業の努力義務となりました。
今回は、60歳以上の従業員を雇用する皆様が知っておくべき、年金や給付金のポイントについてご紹介します。
【公的年金】特別支援の老齢厚生年金に注意!
公的年金は原則65歳以上からの受給ですが、以前は条件を満たせば60歳から特別支給の老齢厚生年金を受給可能でした。
しかし、2021年度に60歳を迎えた男性からこの制度は廃止されます。
女性についても2026年度から廃止予定ですので、対象の方は注意が必要です。
公的年金については、以下のポイントを押さえておきましょう。
◇ 特別支給の老齢厚生年金は、2021年度に60歳となった男性から廃止されます。
女性は2026年度から廃止予定です。
◇ 年金受給の繰り下げは、70歳が上限になります。(2022年度からは75歳)
◇ 在職老齢年金は、2022年度から47万円が支給停止基準額として統一されます。
【高年齢雇用継続基本給付金】2025年度から給付率が10%に縮小
60歳以上が受け取れる代表的な給付金に、高年齢雇用継続基本給付金があります。
高年齢雇用継続基本給付金については、以下のポイントを押さえておきましょう。
◇ 60歳以降の賃金が60歳時点の賃金と比べて75%未満になった場合に支給される。
◇ 60歳以降の賃金がそれまでの61%以下に低下した場合は、減額後の賃金の15%が支給される。
(2025年度からは10%に縮小予定)
これにより、支給額が減少するため、将来的な生活設計に影響を与える可能性があります。
早めの対策を講じることが重要です。
70歳までの雇用に向け、労務上必要な知識を確認しておこう
従業員が70歳になるまでの就業機会確保が企業の努力義務となった今、従業員を70歳まで雇用するにあたって、各企業では労務上必要な手続きを把握しておくことが重要です。
特に、年金や給付金などのお金にかかわる制度は取り扱いを誤ると労使トラブルに発展する場合があります。
正確な情報をもとに、適切な手続きを行うことが求められます。
まとめ
シニア人材の活躍は、企業にとっても大きなメリットとなります。
制度変更に対応し、シニアの皆様が働きやすい環境を整えることで、企業の活性化にも繋がります。