今回は、エン・ジャパン株式会社が運営する社員・バイト求人サイト『エンゲージ』上で、ユーザーを対象に「転勤」についてのアンケートを実施し、1,039名から回答を得た結果をもとに、転勤に対する意識や現状をご紹介します。
転勤が退職のキッカケになる?
「もしあなたに転勤の辞令が出た場合、退職を考えるキッカケになりますか?」というアンケートに対して、1,039名の回答者のうち、69%が「転勤は退職のキッカケになる」(「なる」44%、「ややなる」25%)と回答しました。
この結果から、多くの人が転勤に対して強い抵抗感を持っていることがわかります。
年代別・男女別の転勤への抵抗感
年代別に見ると、20代の78%、30代の75%、40代以上の64%が「転勤が退職のキッカケになる(ややなる)」と回答しています。
特に若い世代ほど転勤への抵抗感が強い傾向が見られました。
また、男女別では男性の62%、女性の75%が「転勤が退職のキッカケになる(ややなる)」と回答しており、女性のほうが転勤に対する抵抗感が強いことがわかります。
転勤を理由に退職した経験
転勤の辞令を受けたことがある人に対して「転勤を理由に退職したことがありますか?」と尋ねると、31%が「退職したことがある」と回答しました。
これは、転勤が実際に退職を引き起こす要因となっていることを示しています。
転勤の辞令を承諾する従業員の割合
「もしあなたに転勤の辞令が出た場合、どう対処しますか?」との問いに対して、50%が「承諾する」(「承諾する」8%、「条件付きで承諾する」42%)と回答しました。
条件付きで承諾する場合の条件としては、「家賃補助や手当が出る」がトップで72%でした。
転勤に伴う生活環境の変化を考慮した条件を求める人が多いようです。
一方、「条件に関係なく拒否する」と回答した人に理由を尋ねると、「配偶者の転居が難しいから」がトップで40%となりました。
家庭環境やライフスタイルの変化への影響が、転勤拒否の大きな理由となっています。
今後の対策
今回のアンケート結果から、転勤が多くの従業員にとって大きな負担となり、時には退職のキッカケにもなりうることが明らかになりました。
しかし、転勤には様々なメリットもあります。
新しい土地でこれまでとは違った仕事にチャレンジすることで、視野が広がりスキルがつくとともに、人脈を広げることもできます。
向上心が強い従業員は転勤に前向きな場合もあるので、まずはそういった従業員に転勤の話を持ち掛けてみるのはいかがでしょうか。
また、転勤をすることで収入UPが見込めれば、従業員の転勤に対する抵抗感が薄まるかもしれません。
現在設定している転勤者への手当金を増額し、そのことを社内で周知してみるのもひとつの策略です。
まとめ
企業は、転勤が従業員に及ぼす影響に対する理解を深め、従業員の生活や家庭の事情を考慮した柔軟な対応を検討していきましょう。そうすることで、転勤する従業員の負担を減らし、より働きやすい環境を作っていくことができます。