本日は「超高齢社会」における社会保障の在り方について、お話しします。誰もが年齢を問わず安心して暮らせる社会をつくるには、支え方の考え方や制度の仕組みそのものの見直しが求められています。
固定観念を越えた「全世代型社会保障」へ
これまで、「社会保障を支えるのは若者で、高齢者は受け取る側」との考えが一般的でした。しかし、少子高齢化が進行する中で、そうした固定観念を見直す動きが進んでいます。今後は「すべての世代が支え、すべての世代が支えられる」社会保障の構築が重要です。世代間の対立ではなく、共に支え合うという視点が必要とされています。
給付と負担のバランスをどう保つか
社会保障給付は今後も増加が見込まれています。重要なのは、その増加分をどのように公平に負担するかという点です。負担能力に応じて、すべての世代が無理なく支え合う制度設計が求められています。制度の持続可能性を高めるためには、給付と負担のバランスを意識した仕組みが不可欠です。
高齢者は“支える側”にもなりつつある
実際に、高齢者の就業率は年々上昇しています。退職後も働くことを希望する人が増え、高齢者が労働力として社会を支える側にも回りつつあります。これにより、社会保障制度の支え手は多様化しており、高齢者が担う役割も拡大しています。
若い世代への支援も重要に
一方で、次世代を担う若者世代に対しても、子育て支援などの充実が図られています。育児休業給付の拡充などはその一例で、働きながら安心して子育てができる環境づくりが進められています。こうした支援は、将来的な支え手を育むためにも不可欠です。
医療・介護ニーズへの対応とデジタル活用
高齢化に伴い、医療や介護のニーズも確実に増えています。これに対応するには、人材の確保と育成、働き方改革の推進、そしてデジタル技術の活用が不可欠です。ITやAIを活用することで、効率的で誰にとっても使いやすいサービス提供が可能となります。
まとめ
超高齢社会の中で求められるのは、「誰かが誰かを支える」のではなく、「みんなでみんなを支える」という発想です。高齢者・若者の役割を固定化するのではなく、それぞれの世代ができる形で社会保障に関わることが、持続可能な制度構築の鍵になります。今後も時代に即した制度の見直しと環境整備が求められます。