昨年12月、公益通報を理由に通報者を解雇や懲戒処分した場合、事業者に刑事罰を科す「公益通報者保護法の見直しに関する報告書案」が提言されました。企業の不正行為を指摘した通報者の権利をより強固に守ることが目的とされています。
また、通報者が不利益な扱いを受けたと主張して民事訴訟を起こす場合、立証責任を通報者ではなく事業者側に負わせる仕組みが提案されています。これによって、裁判で通報者が不利になるリスクを軽減し、不正の是正を促す意図があります。
さらに、通報者を特定しようとする「通報者捜し」を法律で禁止する方針が示されました。これにより、通報者のプライバシー保護が強化され、安心して内部告発ができる環境の整備が目指されています。
一方で、配置転換や嫌がらせといった不利益行為に対する罰則は見送られ、今後の検討課題とされています。
消費者庁はこれらを含む具体的な罰則内容を整理し、2025年の通常国会で改正案を提出する予定です。
まとめ
今回の公益通報者保護法の改正案は、通報者の保護をさらに強化し、組織内の不正行為を早期に発見・是正するための具体的な措置を示しています。これにより、通報者が安心して声を上げられる環境の整備が進み、企業の透明性が向上することに繋がるでしょう。