厚生労働省は、従業員が病気治療と仕事を両立できる環境を整備するため、企業への努力義務を法制化する方針を打ち出しました。医療技術の進歩により、がんや慢性疾患を抱えながら働く人が増加する一方で、適切な支援がないために離職を余儀なくされるケースが課題となっています。この状況を改善するため、政府は「働き方改革実行計画」に基づき、治療と仕事の両立を支援する社会的仕組みの整備を進めています。
企業に求められる取り組み
企業は、従業員が治療を受けながら働けるよう、以下のような取り組みを求められています。
- 柔軟な勤務形態の導入: 短時間勤務や在宅勤務など、従業員の状況に応じた柔軟な働き方の提供
- 休暇・休業制度の整備: 治療のための有給休暇や病気休暇の充実
- 職場風土の醸成: 病気への理解を深め、支援し合う職場文化の形成
これらの具体例は「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」に詳しく記載されています。
支援体制の強化
企業内での支援体制を強化するには、産業医や人事労務担当者が中心となり、従業員の健康管理や就業上の配慮を進めることが不可欠です。また、外部の産業保健総合支援センターや地域産業保健センターと連携することで、より効果的な支援を実現できます。
まとめ
法制化方針により、企業には治療と仕事の両立支援に積極的に取り組む姿勢が求められます。これにより、病気を抱える従業員が安心して働ける環境が整い、人材の定着や生産性向上といった企業側のメリットにもつながることが期待されています。今回の取り組みは、働きやすい社会の実現に向けた重要な一歩といえるでしょう。