今回は、最近よく耳にするようになった、「就活ハラスメント」についてご説明いたします。
はじめに
就活ハラスメントとは、就職活動中やインターンシップ中の学生に対するセクハラやパワハラを指します。
令和2年度の厚生労働省の調査によると、約4人に1人の学生がこの被害を受けているという深刻な結果が出ています。
具体的な就活ハラスメント行為は?
具体的な行為としては、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘いなどが挙げられます。
また、学生が他社の選考を受けられないよう妨害したり、他社の内々定の辞退を迫ったりする「オワハラ(就活終われハラスメント)」も含まれます。
これらの行為は決して許されるべきではなく、明るみに出れば企業も大きなダメージを受けることになります。
最悪のケースとしては、企業の信頼を失うだけでなく、訴訟に発展する可能性もあります。
そのため、企業としては就活ハラスメントの防止策を講じることが必須と言えるでしょう。
防止策について
では、先進事例に見る防止策として、企業はどのような取り組みができるのでしょうか?
以下にいくつかの施策を紹介します。
【ハラスメント防止の方針の明確化】
・全従業員、特に採用担当者に対して、ハラスメント禁止の方針を明確に伝えることが重要です。
・ハラスメント行為者に対する処分を明示した社内規定や規則(懲戒処分等)を設定し、周知徹底を図ります。
【ハラスメント防止体制の整備】
・継続的なハラスメント防止研修を実施することが重要です。
・複数名での学生対応など、採用活動におけるルールを明確化します。
・就活生向けの相談窓口を設置し、その存在を広く周知することも効果的です。
さらに、厚生労働省の「就活ハラスメント防止対策企業事例集」では、先進事例における3つの共通項として
以下が挙げられています。
(1)「公正な採用選考」に基づいた面接実施
(2)リクルーターの行動指針やマニュアルの策定
(3)応募者の個人情報の限定利用
これらの取り組みは、企業としての信頼を高めるだけでなく、学生に対しても安心して就職活動を行える環境を提供することができます。
まとめ
就活ハラスメントは、採用活動を行う全ての企業で起こり得る問題です。
だからこそ、事前の防止策を実施し、適切な対応を講じることが重要です。
皆さんも、自社の取り組みを今一度見直し、学生が安心して就職活動に臨める環境づくりに努めていきましょう。