今回は、厚生労働省が10月に控える短時間労働者に対する社会保険適用拡大についてQ&A形式でわかりやすくご説明いたします。
Q1: 社会保険の適用拡大とは具体的にどのような変更ですか?
A: 現行制度では、所定労働時間・労働日数が通常の労働者の4分の3以上に満たない場合であっても、週所定労働時間20時間以上、所定内賃金月額8万8000円以上、被保険者数100人超の企業などの要件を満たすとき、社会保険を適用しています。10月の適用拡大は企業規模要件を100人超から50人超に緩和するものです。
Q2: 50人を超える「見込み」の場合の対応は?
A: 事業所の新規適用時や合併時に、厚生年金保険の被保険者の総数が50人を超える見込みがある場合は、50人を超えた実績がなくても、特定適用事業所該当届の提出が必要となります。該当年月日は50人を超えると見込まれた事実の発生日としました。50人超の要件は、12カ月のうち、6カ月以上50人を超えることが見込まれるかどうかで判断します。
Q3: 給与改定後の社会保険適用はどうなりますか?
A: 雇用時には所定内賃金月額が8万8000円以下だった労働者が、遡及する給与改定によって8万8000円を超えた場合は、給与改定日から社会保険を適用します。業務の都合によって恒常的に労働時間が増加したケースでは、連続する2カ月間要件を満たし、引き続き同様の状態が見込まれる場合に、3月目の初日に被保険者資格を取得するとしています。
まとめ
短時間労働者への社会保険の適用範囲の拡大は、多くの従業員にとって、また事業運営をされている皆さんにとっても大きな変化となります。従業員が安心して働き続けるためのサポートを充実させましょう。