傷病手当金は、健康保険の被保険者が業務外の病気やけがで働けず、連続3日間の待期完成後、4日目以降の休業日に支給される制度です。ただし、休業期間中に会社から給与が支払われ、その額が傷病手当金以上である場合、傷病手当金は支給されません。給与が傷病手当金より少ない場合は差額が支給されます。なお、令和4年1月1日からは、同一傷病について支給開始日から通算して1年6カ月受給できるようになっています。
障害年金との併給調整における注意点
実務において特に注意すべきなのが、障害年金との調整です。傷病手当金を受給している方が同一の傷病で障害年金等を受ける場合、原則として以下のような調整が行われます。
具体的な調整ルール
- 障害厚生年金を受ける場合: 原則として傷病手当金は支給されません。ただし、障害厚生年金の日額が傷病手当金の日額より少ない場合は、その差額が支給されます。
- 障害基礎年金も支給される場合: 同一支給事由で障害基礎年金も支給される場合は、障害厚生年金と障害基礎年金を合算して調整します。
- 障害手当金を受ける場合: 傷病手当金の合計額が障害手当金の額に達するまで、傷病手当金は支給されません。
- 障害基礎年金のみを受給する場合: 傷病手当金との併給調整の対象外となります。
実務における3つのポイント
この確認を誤ると、後から傷病手当金の返納が発生する可能性があります。実務では必ず次の3点を確認しましょう。
- 同一傷病かどうか。
- 障害厚生年金があるかどうか。
- 障害基礎年金のみかどうか。
特に、精神疾患、がん、脳血管疾患、心疾患、人工透析などは、障害年金につながる可能性があります。傷病手当金は、単なる健康保険の手続きではありません。
