近年、空いた時間を利用し、短時間・単発で雇用される「スポットワーク」の就業件数が増加しています。この働き方は、生活のための収入確保や空き時間の有効活用を目的とする人が多く、即座に賃金を受け取れる点も魅力の一つです。しかし、その一方で、労働条件や安全対策の不備が指摘されています。日本労働組合総連合会(連合)は、インターネットリサーチを実施し、スポットワークで働いている、または働いたことのある15歳以上の1,000名を対象に調査を行いました。その結果を以下にまとめましたので、ご一読ください。
スポットワークを始めた理由
- 1位:生活のための収入確保
- 2位:空き時間の有効活用
- 3位:すぐに賃金が受け取れる
契約形態の確認状況
「確認していない」と回答した割合:約40%
1日で複数のスポットワークを行った経験
- 実施率:24.8%
- 平均就労時間:4.9時間
- 8時間以上働いた人の割合:15.3%
1か月あたりの収入
- 最も多かった回答:「5,000円未満」(22.6%)
- 平均収入:2.8万円
労働条件や安全対策の説明状況
- 業務内容・賃金等の説明を受けたことがない:24.5%
- けがや事故防止の説明を受けたことがない:34.4%
- 労働条件通知書を交付されたことがある人:30.9%
仕事上のトラブル経験
- トラブル経験者の割合:46.8%
- 最も多かったトラブル:「仕事内容が求人情報と違った」(19.2%)
- 次いで多かったトラブル:「業務に関する十分な指示や教育がなかった」(17.7%)
就業環境の改善要望
- 業務内容の十分な説明
- 就業条件の向上
- 嫌がらせやハラスメントに対する通報窓口の整備・周知
まとめ
情報通信技術の発展により、スポットワークは手軽に仕事を探して収入を得られる手段として定着しつつあります。特に、働くことに慣れていない10代の利用者が増加する中、企業側も人手不足の解消手段として積極的に活用する動きが広がっています。しかし、労働環境の整備が不十分な場合、トラブルが発生するリスクが高まります。適切な契約手続き、労働条件の明確化、安全管理の徹底は、企業の責務として求められています。スポットワークを健全な労働形態として発展させるためにも、企業は適正な環境整備を進めていく必要があるでしょう。